1型糖尿病 40代男性 障害厚生年金3級
概要
令和5年初春、喉の渇きと頻尿が見られ、徐々に悪化していった。
強い倦怠感を感じ、心窩部痛・嘔吐・頻脈の症状も現れたため病院を受診することにした。
血液検査を受けたところ、血糖値350超・HbA1c8%超という結果から1型糖尿病と診断された。
インスリン療法開始。
以後、現在に至るまで定期通院を続けている。
現在、低血糖が毎日1回は必ず起こる。
頭が回らず、思考欠如の状態となり、回復するまでぐったりする。
完全回復するまで少なくとも15分以上かかる。
体調によって乗ろうとしていた電車をやり過ごすことも多く、会社に遅刻してしまう事も少なくない。
高血糖は深夜に起こることが多い。
深夜2時近くになると、高血糖のアラームが鳴るため起きてインスリンを追加打ちしている。
追加打ちしてもすぐには下がらず、朝7-8時頃にようやく下がったと思うと、逆に下がりすぎて低血糖になることもある。
毎日のようにアラームで起こされ対処する必要があり、睡眠を十分に取ることもできておらず日常生活にも支障がある。
令和7年3月に障害厚生年金の請求を行う。
結果、障害厚生年金3級(障害認定日請求)が認められた。担当者コメント
糖尿病の認定基準上、下記いずれかに該当すると3級の障害状態として認定すると規定されています。
内因性のインスリン分泌が枯渇している状態で、空腹時又は随時の血清Cペプチド値が 0.3ng/mL 未満を示すもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの
意識障害により自己回復ができない重症低血糖の所見が平均して月 1 回以上あるもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの
インスリン治療中に糖尿病ケトアシドーシス又は高血糖高浸透圧症候群による入院が年 1 回以上あるもので、かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの
上記の中で、①血清Cペプチド値0.3未満に該当している事をもって請求手続きを行う事が多いのですが…
本請求事例は②重症低血糖の所見が平均して月1回以上あるものに該当している事を主張し請求手続きを行いました。
CGMの普及により②・③の要件に該当する方は滅多にいません。
非常に珍しい請求事例と言えます。